私が患者さまとお会いして最初に行うことは、お体の状態を知ることです。
お会いした瞬間から東洋医学独特の診察は始まっています。
例えば顔色や声の大きさ、体の曲がり具合や歩き方などを、瞬間的に観察して問診に移っていきます。
こちらのページではお会いした瞬間の観察の後に行なう問診や脉診、可動域検査などの様子や、治療の手順をご案内しております。
なお、お悩みの疾患によっては省略する事項もありますが、大きく異なることはありません。
検査
脈診の様子
上の写真は『脈診』という診察をしている様子の写真です。
お悩みが腰や肩といった肉体的なものであれば省略する場合もあります。
当院では概ね次のような検査・診察をおこないます。
- 問診:現在のご様子や過去の病歴、入院歴、ご家族の病歴、飲酒・喫煙の有無などを質問(問診)させて頂きます。
- 脉診:左右の手首付近の脈を触り、脈の強弱・硬軟・脈の速さ等を診察します
- 腹診:おへそを中心に上腹部・下腹部・側腹部に触れ、硬結や圧痛などを診察します
- 可動域検査:仰向けや立ち上がった姿勢などで、どのような動作で体に痛みが生じるのか?、どこまで体を動かすことが出来るのか?などの確認をしていきます。
脈診や腹診などは東洋医学独特の診察方法で、これを行うことにより【どこの経絡(気の流れ)】が悪いのか【どこの経穴(ツボ)】に鍼を使うか等々知ることができます。
西洋医学(現代医学)の診察とは異なるものです。
この他、背中を触診したり舌の状態を診せてもらったりする場合があります。
手技治療
肩甲骨付近の前揉法の様子です
前揉法(ぜんじゅうほう)と呼ばれる鍼を刺入する前の簡単なマッサージやストレッチ療法などを行います。
手技治療の目的
- 鍼を使う前に肩や腰などの『コリ』を揉みほぐすことで、鍼を体に入れやすくする。
- ストレッチを行うことで萎縮してしまった筋肉を正常な状態に伸ばして、血行と『気』の巡りを良くして鍼の効果を高める。
この2つが手技治療の大きな目的になります。
このため手技治療中は多少の痛みを生じさせることもあります。
しかしながら、手技治療中の痛みを我慢し続けると逆に筋肉が委縮してしまうこともあるため患者様には、あくまでも無理をしない程度に少しだけ我慢をして下さいとお願いしております。
なお、あくまでも『治療』が目的であるため、リラクゼーションマッサージを望まれている方には不向きな内容となっています。
詳しくは【ご依頼前に必ずお読みください】のページで説明しております。
鍼治療
鍼を刺入している様子です
手技治療に続き、全身を巡る『気』を調整するための鍼治療を施します。
初めて鍼治療を経験される方に質問すると、「鍼は痛い」「鍼は怖い」といった先入観や不安感もっているとよく聞きますが、どうぞご安心下さい。
当院で使用する鍼の太さ(直径)は0.16mm~0.20mmで、注射針よりもはるかに細いもので、ほとんど痛みを感じることはありません。
※個人の感じ方には差があるため、”絶対に痛くない”とは言いきれません。
ご了承下さい。
また鍼はほとんどの鍼灸治療院で用いられている使い捨てタイプのステンレス鍼を使用しますので、感染症の心配もございません。
灸(温熱)治療
温熱器具で、ふくらはぎを治療している様子です
鍼では補えない『気』を調整するため、灸(もしくは温熱器具)で患者様の体を整えていきます。灸(温熱)治療は行わない場合があります。